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平成28年度国税庁講本 相続における贈与の注意点

相続をきっかけに贈与について検討する機会があると思いますが、贈与に基本的なことから様々な注意点があります。

ここでは、贈与の注意点について解説していきます。

まず、贈与とは「贈与とは、当事者一方(贈与者)が自己の財産を無償にて相手方(受贈者)に与える意思表示をし、相手方(受贈者)が受諾することによって成立する契約」です。(民法549)

従って、贈与者(あげる人)と受像者(もらう人)双方が、その内容を承諾していることが最低限の条件になります。

従って、どちらか片方が、その内容を忘れていたり、知らなかったりすると契約は無効になりますので注意が必要です。

相続でよくある話が、被相続人(財産を遺した方)は息子や配偶者に黙ってこっそりと口座を作り、お金を当人のために貯めておいていたが、当の本人がそれを知らなかった、という場合です。

相続の場合、贈与形態をなしていない財産は、相続財産と判断され、状況により加算税が課されますので、注意しておきましょう。

また、贈与は書面によることを要しませんが、書面によらない贈与は、既に履行した部分を除き、各当事者は、いつでもその契約を取り消すことができることとなっており(民法550)、書面による贈与と口頭による贈与とはその法的取扱いを異にしています。

よって、贈与した際は、面倒であっても贈与契約書を作成しておくことが重要です。

最後に、「夫婦間の契約は、婚姻中、夫婦の一方からいつでも取り消すことができる点」も覚えておいた方が良いでしょう。(民法754)

※離婚調停中と、第三者の権利を害する場合を除きます。

参照:国税庁「平成28年度 講本 贈与税」より