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同じ兄弟姉妹でも相続分が違うケース

そもそも、遺言書による遺贈を除き、兄弟姉妹に相続分が発生するケースは全体割合からして多くありません

何故なら、配偶者と子供と父母のいずれかがご存命の場合、この3血縁者に相続権が発生してしまうからです。

しかしながら、ご相談に応じていると、「相続人が兄弟姉妹のみ」というケースが多いのも事実です。

そこで、同じ兄弟姉妹でも血縁関係が異なると「法定相続分が異なるケース」をご紹介したいと思います。



「全血」と「半血」の兄弟姉妹
父母の双方を同じくする兄弟姉妹を「全血の兄弟姉妹」といい、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹を「半血の兄弟姉妹」という。
(注) 相続分については、半血の兄弟姉妹は全血の兄弟姉妹の1/2とされている
(民法900条 及び 国税庁平成28年度 相続税講本)

半血の兄弟とは例えば、父が再婚して先妻(元の配偶者)と後妻(現在婚姻関係がある配偶者)がおり、亡くなられたのが「あなた」だとします。

・あなたが先妻の子 → 後妻の子が半血の兄弟となる
・あなたが後妻の子 → 先妻の子が半血の兄弟となる

この様に、「非嫡出子」にも「嫡出子」と同等の相続権があるように、兄弟姉妹にもご両親の婚姻関係により相続分が異なってきますので、注意した方が良いでしょう。

但し、兄弟姉妹に相続権・相続分が発生するには、「遺言書による指定」か「相続人が配偶者と兄弟姉妹」もしくは「相続人が兄弟姉妹のみ」となっており、かつ、相続税の2割加算の上、遺留分権利がありませんので、その点覚えておくと良いかと思います。

最後に、法改正により「嫡出子」と同等の相続権を持つことになった「非嫡出子」の法文を抜粋して終わりにしたいと思います。


「嫡出子」と「非嫡出子」 (国税庁平成28年度 相続税講本)
嫡出子は、嫡出である子、つまり、法律上の婚姻関係にある男女間で生まれた子(婚内子)をいう(民法772)。養子は、養子縁組により養親の嫡出子となる(民法809)。 非嫡出子は、嫡出でない子、つまり、法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子(婚外子)をいう。母子関係は分娩の事実があれば認められ、父子関係は認知によって生じ、相続権が発生する(民法779)。