会社イメージ

相続税還付を行う相続専門税理士事務所のカラクリ

近年、相続税還付を行う相続税還付を行う税理士事務所が増えてきましたが、その背景について解説したいと思います。

そもそも、相続税申告の際、殆どの税理士事務所は相続税を積極的に下げて申告しません。これは、税理士損害賠償請求による弊害です。


■税理士損害賠償請求
相続税申告における「税理士損害賠償請求」とは、相続税の初回申告時に税理士の過失により税務署から申告漏れや過小評価を通達決定された場合、依頼者はその申告漏れや過小評価により課税された相続税相当額を税理士に損害賠償請求できるという内容です。

依頼者の過失による申告漏れは適用されませんが、税理士が初回相続税申告時に余裕を持って申告するのはこのためです。

このカラクリを利用したのが、「相続税の還付」です。初回相続税申告に余裕を持った申告に対して、可能な限り適用できる評価減や特例を使い相続税の修正申告を行います。結果、その修正申告が認められれば、相続税の還付となります。

税理士損害賠償請求は初回申告時のみ適用されますので、2回目以降の申告、つまり修正申告は適用対象外ですので、税理士も積極的に評価減や特例を適用させようとします。

相続税還付がここ数年増えていく背景には、実際には相続税申告に強い税理士が多くないこと、相続税の申告は専門であっても、相続税の税務調査は強くないなどの背景があります。

そもそも、相続税の申告と相続税の引き下げ(節税)は「別もの」です。
相続税の申告は、申告のルールに基づき「正しく申告が出来ているか」が求められますが、相続税の節税は、税法は勿論のこと、相続税の税務訴訟を理解しているかが求められます。

※相続税の税務訴訟は、税務調査で税務官の決定に対し、不服を求める税務の裁判のことを言います。

相続税の還付を依頼するなら、相続税申告に強い事務所より相続の税務調査に強い事務所を選んだ方が良いと言えるでしょう。