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譲渡制限株式の株式譲渡に関わる法令文一覧

中小企業(非上場会社)の中核を担う「譲渡制限株式」の株式譲渡に関する法令文を纏めてあります。
法令文ではなく具体的な流れはこちらとなります。

尚、「譲渡制限株式」とは、その法人の株式を取得・譲渡する際において発行会社の承認を得るルールとなっている株式のことであり、中小企業の殆どが、モデル定款を使う関係上、「譲渡制限株式」となっています。

自社が「譲渡制限株式」かどうか確認するには、定款の株式の譲渡に関する項目に「発行会社の承認を必要する」と記載があれば、譲渡制限株式を発行する会社となります。

※主に定款の第7条に記載されているケースが多いのも特徴です。



会社法134条(譲渡制限株式での株主名簿記載条件)
前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
1 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第136条の承認を受けていること。
2 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第137条第1項の承認を受けていること。
3 当該株式取得者が第140条第4項に規定する指定買取人であること。
4 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。
会社法第136条(譲渡制限株式保有者からの譲渡承認請求)
譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。) に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて 承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
会社法第137条(譲渡制限株式取得者からの承認請求)
1 譲渡制限株式を取得した株式取得者は株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。

2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。
第138条(譲渡承認請求に必要な事項)
次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。

一 第136条の規定による請求(譲渡制限株式の請求)

次に掲げる事項
イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数)

ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称

ハ 株式会社が第136条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第140条第4項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨二 前条第1項の規定による請求


次に掲げる事項
イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数)

ロ イの株式取得者の氏名又は名称

ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第140条第4項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨
第139条(株式譲渡承認の決定機関)
1 株式会社が第136条又は第137条第1項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。
ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。
第140条(株式発行会社又は指定買取人による株式買取)
1 株式会社は、第138条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第136条又は第137条第1項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。

この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 対象株式を買い取る旨
二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数)

2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。

3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。

4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。

5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
第141条(株式発行会社による買取の通知)
1 株式会社は、140条第1項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。

2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第1項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。

3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第1項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。

4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第1項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。
第144条(株式の売買価格の決定)
1 第141条第1項の規定による通知があった場合には、第140条第1項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。

2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第141条第1項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。

3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。

4 第1項の規定にかかわらず、第2項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第140条第1項第二号の対象株式の売買価格とする。

5 第1項の規定にかかわらず、第2項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第1項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第140条第1項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。

6 第141条第2項の規定による供託をした場合において、第140条第1項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。

7 前各項の規定は、第142条第1項の規定による通知があった場合について準用する。この場合において、第1項中「第140条第1項第二号」とあるのは「第142条第1項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第5項中「第140条第1項第二号」とあるのは「第142条第1項第二号」と、前項中「第141条第2項」とあるのは「第142条第2項」と、「第140条第1項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。
第145条(譲渡制限株式を承認したとみなされるケース)
次に掲げる場合には、株式会社は、第136条又は第第137条第1項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。

一 株式会社が第136条又は第137条第1項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第139条第2項の規定による通知をしなかった場合

二 株式会社が第139条第2項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第141条第1項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第139条第2項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第142条第1項の規定による通知をした場合を除く。)

三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合
第309条(株主総会での決議件数)
1 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。

・第140条第2項及び第5項の株主総会
第174条(相続においての相続人に対する強制買取)
株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。