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相続対策知識:2次相続の問題

相続を考える際に「2次相続まで考えるべきか?」と
よく言われますが

正直に言えば「相談される方がどう考えるか」
によって異なる

としか言えません。

何故か?

そもそも、2次相続の問題とは
1次相続に節税を意識した対策を行うばかり

その次の相続で、返って相続税がかかってしまうことを指します。

つまり、表面上、1回目の相続の税金は少なくなりますが
2回目の相続が起きた時に1回目の相続の税金の金額と合計してみると

返って増えてしまっている
いうことです。

例えばどういう事かというと
亡くなった方が旦那様で、相続人が奥様とお子様2人の場合

この相続は「配偶者に対する相続税額の軽減」を使用し
奥様は1億6千万まで非課税で済みます。

そうなると、自然に奥様に資産が行き渡ります。

しかし、今度この奥様が亡くなった時に
お子様2人が相続人となりますが、

子供には、特別な非課税枠や特例がないため
この財産が丸々相続税の計算の対象となり

1回目の相続より税金が多くかかってしまう
ということです。

日本の税制度は「累進課税」
つまり、受ける金額が多ければ多いほど

課税は多くなるシステムを採用しています。

つまり、3人が分割してAという金額を受け取るより
一括してAという金額を1人が受け取る方が

自然と税金は多くなる訳です。

だから、そういったことをトータルで考えて
「相続を考えましょう」というのが

2次相続なのです。

しかし、一方で2次相続まで考えると
様々な弊害が出てきます。

そもそも、2次相続の税金を試算し
対策するのは「現在」ですが

実際に「発生する」のは未来です。

つまり、今後税改正があった場合に
「その対策は意味が無くなってしまう」ということ。

平成27年度から相続税や贈与税の改正があるように
時代とともに、また税制度は改正していきます。

また、現在は有効であっても
2次相続までそのプランが有効かどうかも疑問です。

例えば、昔は「養子」は法定相続人に制限なく加えられました。
そこで、その点に目を付け

一部の資産家の方が養子を大量に迎え入れ
相続税の非課税枠を増やそうとしたのです。

しかし、現在はこのプランは使えません。

養子は実子がいれば1人まで
実子がいなければ2人までしか法定相続人に加えられないからです。

その一方、非嫡出子(婚姻関係の男女の間に生まれた子)は
昨年、最高裁の判決で子と同等の法定相続分となりました。

また、綿密な計算の元行うので
「遺す側の意思が相続に反映させづらい」

などの矛盾も出てきます。

つまり、何が言いたいかというと
相続を遺す方が「これらを踏まえ2次相続をどう考えるか?」

これが重要だと考えます。

先のことを考えて遺すことも重要ですし
「今は今、後は後」と考えることも正しいからです。

重要なのは、遺す側がどう考えるか?

その判断のために専門家が
どうアドバイスするか?

それが重要なのではないでしょうか?