会社イメージ

「管理処分不適格財産」と「物納劣後財産」

平成29年度4月1日付けで物納の優先順位財産が変わり、併せて「管理処分不適格財産」と「物納劣後財産」の詳細も変更されました。

「管理処分不適格財産」とは、物納の優先順位欄に記載があっても、物納に充てることができない財産を指し、「物納劣後財産」とは、他に適当な価額の財産がある場合には物納に充てることができない財産(優先順位が劣る財産)を指します。

例えば、所有する不動産が「管理処分不適格財産」に該当すると、その不動産は物納に充てることが出来なくなり、同様に「物納劣後財産」にその不動産が該当すると、他の不動産や不動産と同順位の物納財産が優先して充てられます。

※参照元「国税庁 物納の手引き」


管理処分不適格財産(物納に充てることができない財産)
【不動産】
・担保権の設定の登記がされていることその他これに準ずる事情がある不動産

①抵当権の目的となっている不動産
②譲渡により担保の目的となっている不動産
③差押えがされている不動産
④買戻しの特約が付されている不動産
⑤その他処分の制限がされている不動産


・権利の帰属について争いがある不動産
①所有権の存否又は帰属について争いがある不動産
②地上権、永小作権、賃借権その他の所有権以外の使用及び収益を目的とする権利の存否又は帰属について争いがある不動産


・境界が明らかでない土地
①境界標の設置(隣地の所有者との間の合意に基づくものに限る。)がされていないことにより他の土地との境界を認識することができない土地(ただし、申請される財産の取引(売買)において、通常行われる境界の確認方法により境界が確認できるものを除く。)
②土地使用収益権(地上権、賃借権等)が設定されている土地の範囲が明確ではない土地


・隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産
①隣接地に存する建物等が境界線を越える当該土地(ひさし等で軽微な越境の場合で、隣接する不動産の所有者の同意があるものを除く。)
②物納財産である土地に存する建物等が隣接地との境界線を越える当該土地(ひさし等で軽微な越境の場合で、隣接する不動産の所有者の同意があるものを除く。)
③土地使用収益権の設定契約の内容が、設定者にとって著しく不利な当該土地
④建物の使用・収益をする契約の内容が、設定者にとって著しく不利な当該建物
⑤賃貸料の滞納がある不動産その他収納後の円滑な契約の履行に著しい支障を及ぼす事情が存すると見込まれる不動産
⑥その敷地を通常の地代により国が借り受けられる見込みのない土地上の建物


・他の土地に囲まれて公道に通じない土地で民法第 210 条(公道に至るための他の土地の通行権)の規定による通行権の内容が明確でないもの


・借地権の目的となっている土地で、当該借地権を有する者が不明であることその他これに類する事情のあるもの


・他の不動産(他の不動産の上に存する権利を含む。)と社会通念上一体として利用されている不動産若しくは利用されるべき不動産又は二以上の者の共有に属する不動産
①共有物である不動産(共有者全員が申請する場合を除く。)
②がけ地、面積が著しく狭い土地又は形状が著しく不整形である土地でこれらのみでは使用することが困難な土地
③私道の用に供されている土地(他の申請財産と一体として使用されるものを除く。)
④敷地とともに物納申請がされている建物以外の建物(借地権が設定されているものを除く。)
⑤他の不動産と一体となってその効用を有する不動産


・耐用年数(所得税法(昭和 40 年法律第 33 号)の規定に基づいて定められている耐用年数をいう。)を経過している建物


・敷金の返還に係る債務その他の債務を国が負担することとなる不動産(申請者において清算することを確認できる場合を除く。)
①敷金その他の財産の返還に係る義務を国が負うこととなる不動産
②土地区画整理事業等が施行されている場合において、収納の時までに発生した土地区画整理法の規定による賦課金その他これに類する債務を国が負うこととなる不動産
③土地区画整理事業等の清算金の授受の義務を国が負うこととなる不動産


・管理又は処分を行うために要する費用の額がその収納価額と比較して過大となると見込まれる不動産
①土壌汚染対策法に規定する特定有害物質その他これに類する有害物質により汚染されている不動産
②廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する廃棄物その他の物で除去しなければ通常の使用ができないものが地下にある不動産
③農地法の規定による許可を受けずに転用されている土地
④土留等の設置、護岸の建設その他の現状を維持するための工事が必要となる不動産


・公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産その他社会通念上適切でないと認められる目的に使用されている不動産
①風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する風俗営業、性風俗関連特殊営業、又は特定遊興飲食店営業の用に供されている建物及びその敷地
②暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定する暴力団の事務所その他これに類する施設の用に供されている建物及びその敷地


・引渡しに際して通常必要とされている行為がされていない不動産(イに掲げるものを除く。)
①物納財産である土地の上の建物が既に滅失している場合において、当該建物の滅失の登記がされていない土地 ②廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する廃棄物その他の物が除去されていない土地 ③生産緑地法に規定する生産緑地のうち「生産緑地の買取りの申出」又は「生産緑地の買取り希望の申出」の規定による買取りの申出がされていない土地


・地上権、永小作権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利が設定されている不動産(右欄に掲げるものに限る。)
①暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下「暴力団員等」といいます。)が権利を有している不動産
②暴力団員等によりその事業活動を支配されている者が権利を有している不動産
③法人で暴力団員等を役員等(取締役、執行役、会計参与、監査役、理事及び監事並びにこれら以外の者で当該法人の経営に従事している者並びに支配人)とするものが権利を有している不動産



【株式】
・譲渡に関して金融商品取引法その他の法令の規定により一定の手続が定められている株式で、当該手続がとられていない株式

①物納財産である株式を一般競争入札により売却することとした場合において、当該届出に係る書類及び目論見書の提出がされる見込みがない株式
②物納株式を一般競争入札により売却することとした場合において、当該通知書及び目論見書の提出がされる見込みがない株式



・譲渡制限株式


・質権その他の担保権の目的となっている株式


・権利の帰属について争いのある株式


・二以上の者の共有に属する株式(共有者全員が当該株式について物納の許可を申請する場合を除く。)


・暴力団員等によりその事業活動を支配されている株式会社又は暴力団員等を役員(取締役、会計参与、監査役及び執行役)とする株式会社が発行した株式(取引相場のない株式に限る。)



【不動産又は株式以外の財産】
物納財産の性質が不動産又は株式に定める財産に準ずるものとして税務署長が認めるもの



物納劣後財産はこちら