月別アーカイブ: 2016年10月

同じ条件でも持ち株会社が税務署に否認される理由

 

2016年8月現在、「持ち株会社の相続税対策」が

税務署に相次いで否認されている状況を踏まえ

 

「法令のどの点に抵触しているか」

詳細に解説した前回の記事に対して

 

今回は「同条件でも否認されるケース」と「否認されないケース」

その具体的な違いについて解説します。

 

そもそも、どんな節税対策であれ、税務署は

・法令を順守した内容であるか

=行き過ぎた節税(過剰な節税)でないか

 

をチェックし、その上で

「税務署が許容範を超えた節税と判断した場合」

 

・節税以外の具体的な行った目的があるか?

この2点に着目します。

 

例えば、同じ節税対策を行った時に

 

A「税金が削減できるから実行した。問題あるか?」

という回答と

 

B「やむを得ず、このタイミングで行う必要があった。」

 

という回答があった場合、

受ける印象が異なるのではないでしょうか?

 

少なくとも、Bの回答の方は、

その理由が正当なものであり、その実施策が事業運営に必要不可欠であった場合

 

検討する必要性が出てくると思います。

 

つまり、「節税以外の具体的に行った理由」

 

もっと言えば、「今それを実行する理由」に

必然性があれば、税務署も自ずと対応が異なってきます。

 

更に言えば、同じ条件でも「認める場合」と「認めない場合」に分かれます。

 

その際、判断材料として、過去に否認された事実や

やましい事案がないかも、判断材料の一つとして、加味されます。

 

税務署はいちいち、小さな案件を、その都度調査しません。

 

蓄積させ、「ある程度纏まった金額の時」

或は、「金額が大きくなった時」調査に入ります。

 

例えば、土地の贈与は、登記を見れば、金額と税金がすぐに計算できるため

贈与税申告後、すぐ調査します。

 

土地の贈与の否認が、相続時、否認件数が少ないのも

このためだと言われています。

 

税務署は「総合判断する」

 

内容によっては、「条件を満たしていても否認する」

或は「条件を満たしていなくても認可する」

 

その分岐点の1つが、「節税以外の行った目的があるか」

 

その特性を覚えておくと良いでしょう。

 

※本記事は、税理士と共同で執筆しています。

 

 

 

幻冬舎が認めた相続対策事務所:「表参道相続相談事務所

 

 

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持ち株会社を活用した相続税対策の否認状況について

 

産経新聞が2016年8月29日に掲載した通り、

現在、持ち株会社を活用した納税資金対策・株価対策が相次いで否認されています。

 

本ページでは、持ち株会社を活用した納税資金対策の

・どの点が否認されたのか

・何故、否認されるのか

その点について、詳しく解説していきたいと思います。

 
まず、持ち株会社を活用した納税資金対策・株価対策の概要を簡単に説明すると

 

1:現経営者が新規法人を設立(現状の資産管理会社でも可)

 

2:新規で設立した法人、或は、現行の資産管理会社(以降、持ち株会社と呼称)に、

後継者に取得させる予定の株式を出資(売却)

 

3:持ち株会社は取得した株式の対価として、銀行から借り入れを行い、株式出資者に

株式の取得対価を支払う

 

4:持ち株会社の株式を取得することで、後継者に事業承継させたい法人の経営権を承継させることができる

 

以上の流れとなります。

 
ここで、着目すべきは、

 

A:持ち株会社が、株式取得のため、銀行から借り入れを行うため、株価が抑えられる

 

B:持ち株会社に承継したい株式を出資(譲渡)するので、

現経営者は、高騰する株価の納税資金を獲得することができる

 

この2点が、持ち株会社設立の大きなメリットです。

 

特に、株価が高騰している状況では、納税資金の準備に苦慮するケースも多く

経営者としては、後継者にスムーズに自社株を相続させたいため、魅力に映るプランとも言えるでしょう。

 

また、税理士だけでなく、大手銀行が提案してくるため、

経営者としては、スキーム自体に安心感があります。

 

さて、前置きが長くなりましたが、

では、本スキームの何処の点が否認されているのか?

 

何故、否認されているのか?

 

その点について、掘り下げていきましょう。

 

まず、話の焦点となるのが「相続税法64条」です。

この条文では、

「同族会社において、その親族・株主・社員など、

同族会社と特別関係にある者の、相続税及び贈与税を

不当に減少させる結果となる行為を、税務署長は厚生できる」

 

と定めています。

 

また、同条文の第2条においては、その対象を

「法人税法・所得税法・地価税法」にまで定める、と記載しています。

 

以下、原文

第六四条

同族会社等の行為又は計算で、これを容認した場合においては

その株主若しくは社員又はその親族その他これらの者と政令で定める特別の関係がある者の相続税

又は贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、

税務署長は、相続税又は贈与税についての更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、

その認めるところにより、課税価格を計算することができる。

 

2 前項の規定は、同族会社等の行為又は計算につき、

法人税法第百三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認)

若しくは所得税法第百五十七条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)

又は地価税法(平成三年法律第六十九号)第三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)の

適用の適用があつた場合における当該同族会社等の株主若しくは社員

又はその親族その他これらの者と前項に規定する特別の関係がある者の

相続税又は贈与税に係る更正又は決定について準用する。

 

3 前二項の「同族会社等」とは、法人税法第二条第十号(定義)に規定する同族会社

又は所得税法第百五十七条第一項第二号に掲げる法人をいう。

 

4 合併、分割、現物出資若しくは法人税法第二条第十二号の六に規定する

現物分配又は株式交換若しくは株式移転(以下この項において「合併等」という。)をした法人

又は合併等により資産及び負債の移転を受けた法人

(当該合併等により交付された株式又は出資を発行した法人を含む。以下この項において同じ。)の行為

又は計算で、これを容認した場合においては当該合併等をした法人

若しくは当該合併等により資産及び負債の移転を受けた法人の株主

若しくは社員又はこれらの者と政令で定める特別の関係がある者の相続税

又は贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、

税務署長は、相続税又は贈与税についての更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、

その認めるところにより、課税価格を計算することができる。

 

要約すると、

・同族会社における不当に課税評価を下げる行為の禁止

・対象は、相続税及び贈与税であり、「法人税法・所得税法・地価税法」まで含める

と言えます。

 

では、表題の持ち株会社スキームがどの点に抵触するかというと

「株式の支配効力(内容)が変わらないにも拘わらず、銀行の借入よる株価の大幅な引き下げ」

この点が、「同族会社における不当に課税評価を下げる行為の禁止」に抵触していると言えます。

しかし、当該スキームを導入した全ての法人が否認されている訳ではなく、

当然、認められているケースもあります。

 

「その分岐点は何なのか?」次回解説致します。

 

※本記事は税理士に監修・協力頂いて掲載しています。

 

 

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