月別アーカイブ: 2015年3月

海外資産に関わる租税回避の現状

 

2000年代初頭まで、海外資産を持つことで

生前贈与における租税回避を行うことが可能でしたが

 

2011年以降、武富士の贈与税の一件を受け

現在は海外資産を保有していても

 

相続税・贈与税の租税回避にはならなくなっています。

 

そもそも、この一件は判決当初

海外居住者が贈与により国外資産を取得した場合、贈与税は非課税でした。

 

但し、原則として租税回避を目的として行わない原則論があり

課税当局は本件においても課税は適切と判断し1300億円を課税していました。

 

しかし、最高裁において課税は不適切と判断し

還付加算金を含めた金額の払い戻しを判決として下しています。

 

それを受け、その後に税制が改定され

現在は、全ての相続財産について相続税を免れるためには

 

1. 被相続人(財産を遺す側)が5年を超えて国内に住所がなく

2. 相続人(財産を受ける側)が日本国籍を脱する、或は5年を超えて国内に住所を有していない

3. かつ、被相続人(財産を遺す側)が国内に財産を有していない場合

 

のみに限られます。

 

つまり、海外資産における租税回避は殆ど意味をなさなくなっています。

 

また、近年富裕層向けの財産状況を国が把握する制度が

次々と制定されており

 

抜本的な富裕層の財産状況、引いては租税回避に

国が淡々と外堀を固めて行っている状況です。

 

その内、大まかな制度が「国外財産調書」と「財産債務調書」と呼ばれるものです。

 

「国外財産調書」制度は、年末までに国外財産5000万以上保有している人は

その明細を翌年3月15日までに税務署に提出するもので

 

本年度、3月15日が初回となり

 

一方、「財産債務調書」制度は

来年度1月1日から義務化されるもので

 

1.その年の所得金額が2000万円超であり

2.かつ、その年の12月31日までに有する財産の合計が3億円以上

3.もしくは、その年の12月31日において有する有価証券の合計額が1億円以上

 

に該当する方はその財産状況を申告する制度となっています。
この制度の怖い点は正確な申告をすることにより

所得税・相続税の申告時に国外財産の申告漏れがあった場合でも

 

加算税を5%免除されますが

 

調書を提出しない、或は正確な申告をしない人には

加算税を更に5%加算する点にあります。

 

※加算税の数字は「国外財産調書」は上記通り。

※財産債務調書の数字は最終調整中。
この様な状況の中、1つ言えることは

国として富裕層の財産状況を把握する準備が着々と進んでおり

 

相続時における「財産隠し」や

「遺族の相続財産申告漏れ」は深刻化し、

 

国に全ての財産を把握された上で

相続税の申告を行わなければならない

 

つまり、これらの罰則に対する

「加算税の対策や相続税の対策が必要不可欠になってくる」

 

と言えるのではないでしょうか?

 

遺産分割や納税資金、次世代への多くの財産の移転だけではなく

プラスアルファの問題が今後富裕層に課せられる相続の問題と言えます。

 

 

 

 

相続の納税資金・遺産分割資金対策なら表参道相続相談事務所

 

 

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表参道相続相談事務所

〒107-0062 東京都港区南青山4-17-33 グランカーサ2F

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Tel: 050-3579-9901

Mail: tamabayashi@omote-souzoku.com

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相続対策において税務署を有効活用する

 

当社は、その対策事案の課税関係に迷いが生じた時は

必ず税務署に確認するようにしています。

 

そもそも、皆様は、税務と言えば税理士

と思われていますが

 

その課税関係が適法かどうか判断するのは国です。

 

この場合、税務で言えば税務署です。

 

従って、迷いや不安がある場合は

税務署に「適切な課税処理を行いたい」と一言伝え

 

相談に乗って貰うのが一番です。

 

何より、税務相談した内容は原則記録に残り

相続発生時に税務署と意見が対立した場合

 

有効な証拠の1つとなります。

 

多くの方は誤解していますが

税務署や諸官庁は敵対する関係ではありません。

 

有効に使い、味方に付けるべきなのです。

 

そして、これは、友人である国家公務員が言っていた一言でもありました。

 

「事前に相談を受ければ、有効な武器となる。

従って、各諸官庁を有効に活用し、味方に付ければいいのに。

もっとそういった意味で国を有効活用してほしい」と。

 

従って、内容によってはクライアントと同行し

税務署まで行くこともあります。

 

そして、そもそも、そのような相談が

面と向かってできない相続対策は行わないべきです。

 

結局の所、遅かれ早かれ、後で突かれます。

その様な対策で果たして、安心な円満な相続が迎えられるでしょうか?

 

きちんと利用できるのものは利用する。

 

それが、本来あるべき相続対策だと私は思います。

 

 

 

 

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通達から判断する広大地の適用条件

 

相続における土地の評価は「実際にその土地を見てみないと分からない」と

優秀な不動産評価能力を持つ税理士の方々は言われますが

 

その具体的事例の1つが広大地と言えます。

 

広大地はその名の通り、広大な敷地を保有する不動産オーナーにとっては

土地の評価額をかなり減額できる制度の1つであり

 

富裕層の相続においては遺産分割や納税資金を圧縮できる

1つの対策となるため

 

相続対策において是非とも熟知しておきたい項目の1つです。

 

ここでは各種裁判事例や

 

平成17年6月17日付資産評価官情報第1号

「広大地の判定に当たり留意すべき事項」より

 

広大地の判定基準について解説しています。

 

■広大地とは

その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地で

都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に

公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものを言います。

※国税庁 No4610 広大地の評価 より

 

■基本条件

各自治体が定める開発許可が必要な面積基準以上

→市街化区域で500㎡以上の土地

 

※開発許可を要する面積以上であってもその面積が地域の標準的な規模である場合は除く

 

国税庁 平成17年6月17日付資産評価官情報第1号

「広大地の判定に当たり留意すべき事項」 より

 

■適用外

・マンション適地orマンションが既に建っている

・大規模工場用地

・容積率300%以上

・戸建住宅用地とした場合、道路開設が必要ない土地

 

国税庁 平成17年6月17日付資産評価官情報第1号

「広大地の判定に当たり留意すべき事項」 より

 

■注意点

・三大都市圏の市街化区域において500㎡以上の土地であっても

近隣地区の1件あたりの土地の平均地積が500㎡であった場合、適用不可

→その場合、その地区の平均地積より広大かどうかで判断

 

・マンション適地かどうかは周りの同程度の土地の利用状況で判断

→過去10年程度まで遡って調査(平成24年7月4日、平成21年12月15日 判決事例より)

→駅より徒歩10分圏内だと適地だと判断される可能性あり(過去の裁判事例)

→マンションかどうかは地上3階以上の建物が該当

→戸建住宅とマンションが混在している地域(容積率200%以上の地域)からは、

周囲の利用状況と専門家の意見から総合判断(過去の裁判事例)

 

・市街化調整区域等は別途判断基準有

 

・近隣の土地利用状況や過去の同程度の土地の利用状況、

各種専門家や役場の都市開発室室長の意見等で総合判断されるため

あくまで確実に条件を満たすものに利用する

 

・評価基準は相続開始時の法令、状況で判断されるため

現状は可能であっても将来は変更される可能性あり

 

■その他、主な適用可能な土地(基本条件を満たす場合)

・マンション適地でない駐車場敷地、資材置き場、テニスコート、殆どが駐車スペースである中古車展示場

・大規模店舗、ファミリーレストラン、賃貸アパート、ゴルフ練習場はその敷地が近隣の土地の標準使用で

なければ適用可能(近隣が戸建住宅がれんたんする場合)

 

■総括

「評価基準は相続開始時の法令、状況で判断されるため

現状は可能であっても将来は変更される可能性がある」ことを留意しつつ

 

「適用可能だった場合の相続対策」と「適用できない場合の相続対策」の

2つのプランを準備する必要があると言えるでしょう。

 

また、明確に判断がつかない案件は

近隣の同規模の過去10年間の利用状況と比較されるため

 

その点で「誰がどう判断しても」該当条件を満たすかを考えなければなりません。

 

もし、その点が難しいようであれば、

広大地を適用する事で本来得たい効果をまとめ

 

その点をカバーできる別の対策案を準備する必要があります。

 

以上

※本内容の無断転載、使用を禁じます

 

 

 

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